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3−2 対応策
過去5年間に減船に対してどのような対策を講じてきたかについては、以下の?@〜?Cまでの「多角化対策」として総括できる対策を講じたと回答した企業が、39社で約5割に達している。

過去5年間の減船対策

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?@陸上部門への進出拡大
減船対策の中で、最も多かったものである。昭和63年に実施した調査結果では、当時は全事業に対する陸上部門の割合か10%を超える企業は全体の約22%に止まっていたが、平成6年調査では35社で全体の50%を占めるまでになっており、この間、着実に陸上部門に進出し、多角化経営が推し進められていることがうかがえる。
?A作業船等への受注拡大
多角化対策の中で「陸上部門への進出拡大」の次きに多かったものである。特に、海洋土木関係の起重機船や曳船等の作業船の受注拡大に経営の活路を見出そうとする企業が多く、本調査研究(第111章)の実施もこうした動向を踏まえてのものである。
?Bアルミ漁船への進出拡大
本調査研究(第1V章2漁船勢力と建造数等の推移)でも言及するように、アルミ漁船は平成7年に298隻に達しており、隻数としては未だ少ないものの、近年着実な増加傾向を示している。将来的にも、老朽化したFRP船の廃船処理間題とも相まって、アルミ漁船は有望な市場になる可能性があると思われる。
?C沿岸小型漁船への切換
本調査研究(第1V章1北海道水産業の現状と資源管理型漁業)でも指摘しているとおり、北海道の漁業における「遠洋・沖合漁業のシェアダウン→沿岸漁業のシェアアップ」の潮流を反映した動きとしてとらえることができる。
本調査研究の目的は、こうした対応策に沿ったものであり、また、中小造船所の技術的能力などを勘案すれば、この調査研究が狙う方向に進むことが、数少ない選択肢のうちの有望な一つであると考えられる。

 

 

 

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